遮蔽型EPMA SKAPHIA



EPMA 電子線マイクロアナライザー SKAPHIA

EPMA SKAPHIA

核燃料の特性評価、照射材料の挙動試験、そして放射性廃棄物の管理等の用途を意図した遮蔽型微量分析装置の開発とサービスで培った50年以上の実績を活かし CAMECAは今、原子物理学研究と原子力産業のキープレイヤーをつなぎ、次世代遮蔽型EMPAの開発へと進めるべく、SKAPHIA遮蔽型電子プローブイニシアチブを立ち上げました。

EPMA-SKAPHIAの概要

遮蔽されていないEPMA装置の場合、放射性物質の試料は電子線の照射前からX線を放出するため、WDS(波長分散型分光器)の検出器は X線を検出し、これが測定データのバックグラウンドにつながります。CAMECAはバックグラウンドになる放射線を避けるために、スペクトロメータ及び試料台の上にある X線カウンターの周囲に効率的な遮蔽構造を設けました。この構造により、軽元素も含めた高感度・低バックグラウンド元素分析を保証できます。

遮蔽型EPMAの原子物理学及び産業での成功の歴史

1978年に最初の遮蔽型EPMA(電子線マイクロアナライザ)の導入以来、CAMECAはアイダホ国立研究所(米)、韓国原子力研究所、SCK-CEN(ベルギー)、超ウラン元素研究所(独)、EDF及びいくつかのCEA 研究所(仏)等の世界の主な 照射後試験施設向けにカスタマイズしたEPMA装置を提供し続けてきました。(参照:iaea.org) この間、CAMECAは原子物理学の研究者が効率的な放射性物質の分析を可能とするために、遮蔽方法及びシステムを開発すると同時に、高空間分解能とより高感度性能 を併せ持った、高性能EPMA装置を実現してきました。

SKAPHIA 遮蔽型電子マイクロプローブイニシアチブ

今日、CAMECAの5世代に亘る遮蔽型電子EPMA(電子線マイクロアナライザ)の中で、旧世代の機種であるSX50-Rが現在も何台か稼働していますが、CAMECAは次世代遮蔽型EPMA の開発準備ができております。 核物質試料を操作・分析するために安全な環境を提供すると共に、SKAPHIAはベンチマークとなる分析性能をご提供できます。これにより、科学者は原子燃料の性能について より深い理解を得ることができ、照射材料の反応及び放射線損傷プロセスの研究、新規合金と構造材料の開発、核燃料サイクルの最適化、より安全な核廃棄物管理、等が可能となります。そしてこのような研究開発がより安全な世界の実現へと貢献します。

EPMAのベンチマークとなる性能

CAMECAの最先端EMPA装置を基本にした次世代遮蔽型EPMAは、周期表の殆どの元素を分析でき、放射性物質試料の主成分元素及び微量元素の組成情報が得られます。 SKAPHIAによって、極めて高精度及び正確な元素情報がサブミクロン領域から得られます。 SKAPHIAは、β線及びγ線を放出する試料の分析を意図して設計されており、0.75MeVのエネルギーにおいて最大許容γ線量は111GBqです。

SKAPHIA EPMA元素表

照射後の核燃料分析において最も考慮すべき元素は、U及びPuに加えてアメリシウム(Am)、キュリウム(Cm)といった放射壊変元素です。またキセノン(Xe)及び レアアース元素(REE)もモニタリングする必要があります。

SKAPHIA 特徴

カラム、スペクトロメータ及び試料ステージは、ホットセル(鉛またはコンクリートで遮蔽した部屋)内にあります。

放射線試料の導入時には遠隔操作装置並びにボールマニピュレータを用います。

本装置は、「ホット」なセル環境から隔離されているエレクトロニクスとコンピュータにより、完全遠隔操作が可能です。

全てのWDSと検出器は、γ線によって発生するバックグラウンド放射線から装置を保護するため遮蔽構造を有しています。

試料ステージにはDenal(タングステン)が使用されています。

二次電子検出器は、γ線による干渉を防ぐように配置されています。

CAMECA EPMA専用ソフトウェアにより、定量分析、X線マッピング、ラインプロファイル取得及びデータ処理に必要な機能を有しております。

分析例

EMPA 分析結果

CAMECA遮蔽型EPMA(電子線マイクロアナライザ)は、原子物理学研究における幅広い用途に利用されています:素材及び複雑な微細構造物における放射線損傷プロセスの研究、 核燃料サイクル用素分析、高性能合金及び新規構造材料の研究開発、原子炉メンテナンスの最適化、そして核廃棄物管理に用いられています。上図は、フェニックス原子炉 において318実効全電力日(EEPD)の間に照射された、Am〇x粒子を含むMg〇ペレットのEPMA分析結果を示しています。 この結果は、実際に発生したAmの核変換率が95.5%に近かったことを示しています。
提供:フランス カダラッシュCEA(Kaine Hanfi及びJerome Lamontagne)

EPMA Graph

ペレットの外形から400μmの位置に形成した粒子から得られた特性X線及び定量分析結果は、Am〇x粒子がPu(~53wt%)及びAm(~4.6wt%) によって構成されていることを示している。Xeの特性X線像は、Am〇x粒子内における核分裂生成ガスの発生とそれに伴う気泡化、及び周辺マトリクス内の変質を示している。



お問合せ

当社製品に関するご質問・ご相談などはお気軽にご連絡ください。

TEL.03-4400-2330

WEB専用お問合せフォーム

ページTOP