アトムプローブ LEAP 4000

LEAP 4000  3次元アトムプローブ、各種材料分析向け

LEAP 4000

概要

アトムプローブLEAP 5000は、高速・高性能の3次元アトムプローブLEAP 4000の後継機種で、検出感度が40%以上向上しています。3次元アトムプローブは、サブnmの空間分解能で元素を3次元マッピングすることにより各種材料の元素分布を3次元で解析することができます。3次元アトムプローブは、針状の試料に強い電界を印加させることにより試料最表面の原子を1つ1つイオン化脱離する電界蒸発を利用しています。 LEAP5000シリーズには金属材料などの導電性材料の分析に特化した電圧パルス型LEAP 5000 Rと半導体・絶縁物の測定にも対応するUVレーザパルスモード搭載型LEAP 5000 XR(リフレクトロン型)とLEAP 5000 XS(ストレートパス型)があります。

装置の特長

特徴1

高倍率、広視野、高速測定

LEAPシリーズ独自の局所電極を採用することで、約100万倍の倍率で最大250nm径のデータを高速(~500万原子/分)に測定することが可能です.また測定時に取得レートを抑える機能により、従来の装置では測定中の破損が避けられなかった脆い試料の測定も可能になりました。

特徴2

3次元データ解析

従来の装置から改良されたディレイライン検出器により原子の3次元位置情報(X,Y,Z)を最大で80%の検出効率で取得すると同時に飛行時間型質量分析により検出したイオンを同定します。LEAPで得られたデータは、深さプロファイルなどの1次元解析、及び材料中の析出物・クラスターの濃度分布や密度、内部界面の面粗さなど2次元・3次元の解析を可能にします。

特徴3

UVレーザ照射によるイオン化アシスト

従来の電圧パルスモードにおける三次元アトムプローブは導電性のある金属材料のみ測定が可能でしたが、新たに搭載されたUVレーザパルスモードでは今まで測定が不可能だった半導体の絶縁膜の測定、さらに多くの絶縁物材料の測定を可能にしました。

LEAP 6000XRとInvizo6000はアトムプローブの最上位機種です。 また3次元アトムプローブ装置には普及型EIKOS-UVもございます。

3次元アトムプローブ EIKOS
アトムプローブ EIKOS
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アトムプローブ LEAP 4000の仕様

アトムプローブの優れた空間分解能と検出感度


アトムプローブのスペック

アトムプローブの原理


アトムプローブの原理

アトムプローブは、原子レベルでの3Dイメージングおよび化学組成測定(深さ分解能0.1~0.3nm、平面分解能0.3~0.5nm)の両方に対して広範な機能を提供する唯一の材料分析技術です。 3次元アトムプローブは開発初期から材料科学の大きな進歩に貢献してきました。

尖端を非常に鋭い形状に加工した試料を冷却し、高いDC電圧(3~15KV)印加します。 非常に小さな尖端半径の試料では高電圧により非常に強い静電界(数十V/nm)が集中します。レーザーまたは高電圧パルス下では 電界効果によって1つまたは複数の原子が表面から蒸発し(ほぼ100%のイオン化)、高い検出効率で位置検出器(PSD)に投影されます。 その検出効率は80%と非常に高く、あらゆる3D顕微鏡の中で最高の分析効率を実現しています。

上の図は、アトムプローブの原理を示しており、試料と2次元位置検出器を示しています。 試料先端に掛けられたレーザーまたは高電圧パルスによる電解蒸発により発生したイオンが検出器に届く時間と 位置(x,y)を測定することで3次元での組成測定が可能となります。 検出器には同時に以下の内容を測定することができます。

・イオンの飛行時間:レーザーまたは電圧パルスとPSDに到達するまでの時間を測定することでm/q比(質量対電荷比)を決定できます。

・検出器上のイオン衝突位置(x,y):PSD情のX-Y位置とイオンの到着順序を測定することで、試料上の原子の位置を再構築することができます。

このシーケンスを繰り返すことによって、原子は尖端から通常1原子づつ剥離され、材料中の元素分布を3次元かつ原子スケールで再構成することができます。
下図はこの3Dイメージの一例です。

アトムプローブでできること 金属における粒界解析

金属における粒界解析

合金の機能特性は多くの場合、合金を構成している結晶粒の元素や結晶の形状がどのように分布しているかによって決まってきます。 結晶粒が隣り合っている領域(結晶粒界)は、結晶粒の成長、発生、安定化、あるいは溶解に大きく関わってきます。 従って、結晶粒界(GB)の評価は材料の研究において極めて重要なものとなります。

鉄鋼中の結晶粒界の分析

FIB(集束イオンビーム)は、結晶粒界を含む材料を3次元アトムプローブによる分析の前処理に以前から活用されてきましたが、 今ではFIBによる尖端出しは、FIBのリフトアウト法を組み合わせて活用されております。

分析を行う箇所は試料からくさびの形で切り出します。分析対象が結晶粒界である場合、くさびの長辺に沿った形で切り出します。 結晶粒界は左上図の黄色い矢印に示したように確認できます。くさびの形で切り出した試料小片はマイクロクーポン上に、剣山のように立っている多数の針 (左上図右側のSiマイクロチップ)の尖端にPtを用いて溶接し、固定します。 この前処理の過程で、複数の試料には同じ結晶粒界が含まれるように調整をします。そして試料の尖端は輪状のGaイオンビームを用いて3次元アトムプローブの分析に必要となる曲率半径に迄細く調整します。 右上図に示した炭素原子の3次元マッピングは、2つの異なった鉄鋼試料の分析によって得られたものです。この図では炭素の分布だけを赤で表示しております。

アトムプローブの3Dイメージ




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